音楽と無縁の中小企業の社長、佐久間拓也(45歳)が、突如作曲活動を始め、わずか10ヶ月で超光速リリースした本作。
収録15曲はすべて完全オリジナルナンバー。J-pop、Rock、バラード、ボサノバ…多岐に渡る構成だが、すべての楽曲が高次元でまったく違った顔をみせ、深く練り込まれた厚みのある歌詞と相まって、ソングライターとしての彼の才能の高さを物語っている。またなんといっても、本作の真骨頂は、ボーカリストとしての彼の資質にある。一瞬でリスナーを引き込むその声は掛け値なしに素晴らしい。ときに武骨に、ときに繊細に、ときにさわやかに、そしてセクシーに、実に表情豊かに歌い上げていく。
聴き終わった楽曲のそれぞれが、心にスッと入ってくる。そしていつの間にか口ずさんでいる。遅れてきた才能が突如開花した。そんな作品である。